1. First Regatta 2005年3月にオリンピックキャンペーンを開始してから10ヶ月が経過し、和歌山マリーナをベースに、週3〜4日のトレーニングプログラムをこなしてきました。プログラムの内容はセールセッティング、ハンドリング、基本動作、マーク回航を中心としたもので、レーザーでオリンピックキャンペーンを行っていたときと同じ内容をベースにとしてきました。日本国内には我々のチーム以外にオリンピックキャンペーンを行っているチームがない上、東京オリンピック以降オリンピックに出場していなかったクラスのため、スター級に関するノウハウの蓄積が全くなく、ビデオや写真の分析、セールメーカーやマストメーカの示すチューニングガイドやハンドリングガイドの参照などにより、試行錯誤しながらレガッタに出場するための準備を行ってきました。8月にロスで行われた北米選手権に出場する予定だったのですが、クルーの和田選手が骨折してしまったため、今回のMiami OCRを初めてのレガッタとして選びました。この大会はISAF Grade 1の大会で、アメリカ国内はもとより、南米やヨーロッパの選手達も冬場のトレーニングとして参加する、非常に規模の大きな大会です。特にスター級には今回19カ国、69艇のエントリーがあり、9月にサンフランシスコで行われる世界選手権の前哨戦といった位置づけです。オリンピックには2007年と2008年の世界選手権で上位15カ国以内に入った国に対して権利が与えられます。前回のアテネオリンピックには22カ国がスター級の世界選手権に参加しました。 今回の大会では是が非でも国枠の取得可能な15ヶ国以内、出来れば10位以内の入賞を目標に立てました。また日本で磨いてきたテクニックの確認、方向性の検討、情報の収集などを行いました。
2. About the Star boat セーリングボートは、アメリカズカップやVOLVOオーシャンレースで使用されている、船底に鉛の重りを装備した“キールボート”と、レーザー級や470級などのように乗員の体重だけでボートのバランスを調整する“ディンギー”に分類されます。現在オリンピック種目の中で、“キールボート男子”がスター級にあたります。 全長6.9b、最大幅1.7b、帆走重量670s、セール面積26.5uのプロフィールは、J24級と同程度の全長、470級と同じ最大幅、J/24級の半分の重量、J/24級と同じセール面積であり、セーリングボートの性能は、セール面積が同じであれば、艇体が長く、細く、軽いほど高性能になることを考えると、かなり高性能なボートであることがプロフィールからも想像できます。 このボートに対して巨大なセールを操るためには、2人合わせて200sの体重が必要であり、470級と同じ様な太さの非常に柔らかいマストを使用し、マストを横方向に支える最大幅よりも広いスプレッダーに、アッパー、ロアー、インターと呼ばれる左右三本ずつのシュラウド(ロッド)、縦方向に支えるフォアーステイ(ワイヤー)、マストのベンドをコントロールする左右のアッパーバックステイ、ロアーバックステイ(ワイヤー)の合計11本により構成されています。470級が3本のリグだけで構成されていることを考えると、非常に複雑な構造となっており、ミリ単位の非常に細かな調正が要求されます。
3. Star Boat #7979 当初の予定では今回のMiami OCRに参加するため、ボートをチャーターするつもりでしたが、アメリカ国内でのチャーターボート費用が非常に高いこと、9月にサンフランシスコで世界選手権が行われること、スター級はヨーロッパよりもアメリカで盛んに活動されており、数多くのレガッタが行われていることなどから、アメリカ国内でボートを購入して保管しておくことを決め、サインディエゴに保管してあった程度の良い中古艇を購入しました。予定では初めてのレガッタはチャーター艇を使用し、なんとか良い成績を収めてからスポンサーを募り、ヨーロッパやアメリカで使用する新艇を購入しようと思っていましたが、Miami OCRで必ず手応えをつかめる成績を取ることを自分にかけ、借金をしてボートを購入してしまいました。これでしばらくの間後戻りが出来なくなり、どうしてもスポンサーを獲得しなくてはならなくなりました。 #7979はドイツ製のスターで、非常に仕上がりが綺麗で、5年が経過した今でも十分な戦闘力を備えています。